青島市城陽区にある公安局で拘留されたこと

中国では、「外国人が中国のある場所に到着後、24時間以内に最寄りの公安局に届出をしなければならない」という規則があるが、最初は知らなかった。

中国で最初に住んだ場所は、山東省の烟台市で、届出をしなかったが何も起こらなかった。

烟台市には14か月いて、その後隣町の蓬莱市に移ったが、その時も届出などしなかったが何も起こらなかった。

もちろん赴任先の学校側が、私に代わって何かしらの届出をしてくれた可能性はある。

 

翌々年、遼寧省瀋陽市に2週間滞在した後、山東省青島市にあるD外国語学院に移動した。

ビザの変更などの手続きは、学校の事務室に任せていた。

しばらくして事務室から、私が青島市に着いてから公安局へ届出を行ったかどうか聞かれ、「届出などしていない」と答えると、

「それでは多額の罰金を払うかもしくは公安局に拘留されることになる」と言われ驚くことになった。

 

私は、事務室の男性職員と一緒に青島市城陽区の公安局に行き、そこで4時間だったか5時間だったか拘留されることになった。

拘留された部屋には、警察官2人がデスクに座っていて新聞を読んだり、ゆっくりしている様子だった。

拘留が始まったばかりの時に、一人の警察官が男性職員に「この外国人はどうやって青島市に来たのか?」と聞いた。

私よりもむしろ男性職員の方が緊張していたのか、彼はトンチンカンな返答をしたので、警察官は声を荒げ始めた。

私は、これはよくないととっさに「飛行機で(飞机)」と言うと、警察官は「なんだ、お前よりこの外国人のほうがまともじゃないか」というようなことを言い、その場は落ち着いた。

 

またある時、先の警察官が私に「日本経済の屋台骨(经济支撑)は何だ?」と聞いてきたので、私は「自動車だ」と答えた。

彼が納得したような顔をしたので、私はホッとした。

当時の私の中国語のヒアリング力はまだまだ劣っていたが、たまたま彼の中国語を聞き取り、正しく答えることができたようだった。

うる覚えだが、私は、返答に補足して、トヨタ、日産、ホンダなど具体的な自動車会社名をあげた。

 

そして拘留時間が無事に満了し、私たちが立ち上がると、先の警察官が「今度一緒に飲もうや。」と言ったので、私は「いいですよ」と答えて晴れて公安局を後にした。