「ビバ!クイズ」応援記

以前、地元のテレビ局に「ビバ!クイズ」という番組があった。

10人の小学生が早押しでクイズに回答するという形式だった。

毎週月曜から金曜の夕方5時台に放送していて、私もよく見ていた。

昔は、「6〇〇こちら情報部」「開け!ポンキッキ」「できるかな」など子供向けのテレビ番組が多かった。

 

小学6年生の時、クラスメートのK君がその「ビバクイズ」に応募し参加することになったことがわかった。

クラスでは大騒ぎになった。

クラスの男子生徒のほぼ全員がK君の応援に行くことになった。

 

その日は天気が良くなく、雨が降っていた。

それでも我々大応援団は、集団になってテレビ局まで行進した。

 

収録が始まった。

司会者に促されてK君が自己紹介をした後、大応援団が「K君、ガンバレよ!」と大きな声をかけた。

私もできる限りの大声を出した。

 

全部で10問の質問があり、そのうちの1問は音楽の問題であった。

楽家の友井さんがピアノを演奏して、その曲に関連する質問に答える、という形だった。

あいにく回答者の誰も制限時間内に答えることができなかった。

私は、友井さんの近くで座っていた。

友井さんは、「誰か答えてくれないかな。」「難しかったかな」といった表情を浮かべた。

 

K君は、結局1問も回答しなかった。

私たちは、拍子抜けした。

 

番組は、1週間分をまとめて前の週の土曜日に収録した。

ちょうど回答者に欠員が出て、テレビ局側から応援に来ている生徒の中で希望者が募られた。

何人か声を上げ、じゃんけんの結果、なんとクラスメートのM君が選ばれた。

M君は、クラスで最も優秀な男子学生である。

彼は、果敢に数問の質問に早押し回答した。